2009年12月26日

「海冥の城 白の姫君」観劇

「海冥の城 白の姫君」観劇

劇団6番シードの研修生、藤堂瞬さんが出演している、KENプロデュース「海冥の城 白の姫君」を観に北沢タウンホールへ行ってきました。いつもは早くから開場待ちしていますが、今回はチケットについている整理番号順での入場とのことだったのでゆっくり出かけました。チケットをお願いしたのは公演の前日でしたから。お昼を食べてから行こうかと思ったけれど、劇場を見つけるのに時間がかかって、そのまま受付でチケットを取りました。整理番号は243番でした。以前来たことがあったと思うけれど、広い劇場ですよね。小劇場に慣れているので驚きました。出演者の顔ぶれを見ていると、客層は若い人ばかりかと思ったら年配の方も大勢いて年齢層が幅広かったので意外でした。番号が遅いので後ろしか座れないだろうと思ったけれど、わりと前の方も席が空いていたので、4列目の中央席をとることができました。

藤堂さんから少しストーリーを聞いていましたけど、出演者は妖怪役ばかりでした。藤堂さんは海冥の城に住む妖怪シラナミ役です。出演者が美男美女ばかりなので、絵的にはとても綺麗だろうけど、普段あまり観ないタイプの作品だったのでどんな感じなのかなとか、藤堂さんが出るから観に来たので、出番が多いといいなと思いながら開演を待ちました。

「瞬切の季武」と恐れられている季武(すえたけ)がかねてより追っていた妖怪・海産女一族の討伐のため「髭切りの綱」「心眼の貞光」「怪力の金時」と共に海底の城へ向かい、白という少女と出会います。季武と白、そして海産女一族の長に憎しみを抱く破儀羅、3人の運命が動きはじめていくという物語でした。

時代物のアクションエンタテイメントということで、殺陣がたくさんあって、とても格好良かったです。頼光四天王はそれぞれ魅力的でした。ただ現代劇ではないので、セリフを言うことに必死で、自分(役)の言葉になっていない、感情がこもっていない役者さんが数名いたのが残念です。こういう世界観は嫌いではないのですが、もう少し全体的に重みがほしかったと思います。あまりにも型にはまりすぎたセリフが出ると、物語に入りにくくなってしまいます。季武の過去もあんなに長い説明ゼリフで語られると、海産女に対する憎しみが逆に感じられず、白との出会いで変化する想いが、心ではなく頭で理解して終わってしまいました。海産女の長である乙ノ上神が死んでいくシーンでは涙がにじみましたけど、白が言い伝えのように「円天の鏡に焼かれ、泡となって消える」シーンは悲しくならなかったです。

「海冥の城 白の姫君」観劇

否定的なことばかり書いてしまいましたが、素敵な役者さんもいましたし、ところどころ不満はありますけど楽しく観ました。シラナミ役の藤堂さんも殺陣での見せ場がたくさんありましたし、ヒロインの白に密かに想いを寄せる役ということで、活躍していました。戦いのシーンでは死なないでと思いながら観ていました。シラナミは素敵でした。でも海産女一族は女しか生まないし、だからこそ破儀羅はその存在を隠されていたのですよね。シラナミと他の男たちが海産女でないなら何なのかなというのが謎のまま残りました。海産女に殺された男たちとはまた違いますよね。
ほかに私は参謀役が好きなので、「心眼の貞光」がお気に入りでした。演じた丸山蛍さんは、キャスト写真と舞台ではだいぶイメージが違いました。そして出演者の名前を見た時から気になっていた橋本深猫さんは、鳥羽まなみさんと猫の妖怪を演じていましたが、とっても可愛らしかったです。猫が好きだし、2人の会話や行動がとにかく可愛くて、登場するたびに喜んでいました。そばにいてくれたら毎日幸せだろうなと思うくらい好きです。

最終的には季武と白は結ばれますが、私はたとえファンタジーであっても「死んだ人間が生き返る」ということが好きではないので、あまり納得できませんでした。死はそんなに軽いものではないですからね。救いのない結末よりもハッピーエンドの方がいいですけど。

公演後は藤堂さんに挨拶に行きました。写真も撮ってもらってお別れしました。6C以外の作品に出演することも、ちょくちょくあるのでしょうかね。6Cで今後どんな役を演じるのかも楽しみにしています。


*本編の内容に具体的に触れていますが、実際に記事を更新したのは公演終了後です。



CoRichブログランキング
同じカテゴリー(演劇)の記事
目指せ、大阪。
目指せ、大阪。(2010-09-30 23:15)


Posted by クラゲ at 17:38│Comments(2)演劇
この記事へのコメント
こんにちは。

先日の記事で何かがあったの知り
とても心配してました。。。

何かがあったのは、気になりますけれど
あえて聞きませんです。

でもでも、クラゲさんが元気になられたようで
良かったです。。。

今回の記事が今年最後になるかもなので
また来年(どんちゃん)共々宜しくお願い致します。
Posted by クライテン2号 at 2009年12月29日 14:12
クライテン2号さん☆

こんばんは。

あのあとはあまり出歩く気にならなかったですけど、大好きな役者さんたちに会うと幸せな気持ちになれるので、そういう場には出かけるようにしました。
またよろしくお願いします。
Posted by クラゲ at 2009年12月31日 20:15
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。